イカリソウは、メギ科の多年草でかたくて節の多い根茎を持ちます。4~5月頃、樹林の下に群がって船の錨のような花を咲かせます。イカリソウは、花の形が錨に似ていることから、この名があります。
イカリソウには、イカリインという強精効果のある物質を含んでいるので、昔から生薬として利用されています。イカリソウの干した茎葉を薬酒にして少量ずつ利用します。
イカリソウは、花色、葉の性質に変異が多く、分類のむずかしいグループです。 |
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薬 用 利 用 |
採取・調整 |
6月~7月の葉が全部出そろったときに採取して、天日乾燥させてから細かく刻みます。
天日乾燥でできたものを生薬では、淫羊霍(いんようかく)といいます。 |
薬 効 |
強壮、強精、神経衰弱、健忘症など
イカリソウの地上部には、イカリインという成分が含まれています。この成分は、動物の精液分泌を促進する働きがあることが確認されています。 |
使用方法 |
使用方法は、天日乾燥させた葉8~10gを500ccの水に入れて煎じます。水が約半分になるまで弱火で煮詰めて漉します。これを1日に用いる量として、3回に分けて服用します。
心臓の悪い人や胃腸が弱い人は用いないようにします。
◇ イカリソウ酒
イカリソウの乾燥させたもの200gをグラニュー糖を約半量加えて、ホワイトリッカー1.8㍑に漬けます。熟成した2~3ヶ月後に、20㍉㍑程度を1日2回に分けて飲用します。このイカリソウ酒は、仙霊脾酒とも呼ばれ強壮の薬効があるとされます。 |
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イカリソウの生育風景 |
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